建設業法の目的

<建設業法の目的>

建設業法は、建設業を営む者の資質の向上、建設工事の請負契約の適正化等を図ることによって、 建設工事の適正な施行を確保し、発注者を保護するとともに、建設業の健全な発達を促進し、 もって公共の福祉の増進に寄与することを目的としています。   すなわち、建設業法の第1の目的は、建設工事の適正な施行を確保し、発注者を保護することであり、 また、第2の目的は建設業の健全な発達を促進することです。 そして、これらの目的を達成するための手段として「建設業を営む者の資質の向上」や「建設工事の請負契約の適正化」を例示として掲げています。   建設業は、産業の基盤を形成するとともに国民の日常生活にも深く関連する重要な産業ですが、   ①1件ごとに設計や仕様が異なる受注産業である ②天候等の影響を受けやすい屋外型の産業である ③工場生産ではなく、現地で工事が行われる非装置型の産業である   など、他の産業にみられないような特殊性を持っているとともに、 中小・零細企業が大半を占め、その経営や契約関係には前近代的な側面もみられることから、 このような目的をもって制定されたものです。  

<建設業法の適用範囲>

建設業法は、建設工事(土木・建築に関する工事で、建設業法の別表第1の上欄に掲げるもの)の完成を請け負うことを営業とする者に適用されます。   この建設工事の完成を請け負う営業を建設工事では「建設業」という概念でとらえ、 単に発注者から建設工事を請け負って営業することのみならず、 工事の下請契約に基づき、建設工事を他の者から請け負った工事の全部又は、 一部を下請して営業することも当然に含まれることとされています。   なお、昭和46年の改正前の建設業法においては、軽微な建設工事のみを請け負うことを営業する者等は、 原則として、建設業法の適用外とされていましたが、 改正後の建設業法では、軽微な建設工事のみを請け負うことを営業とする者も、 建設業の許可の適用を除外されることを除き、 原則として建設業法の対象とすることとなりました。  

<建設業法の制定、改正経緯>

建設業法は昭和24年に制定されました。 それ以来、時代の要請に応えて、数回にわたる改正が行われており、 特に昭和46年には建設業の許可制の採用、請負契約の適正化を中心とする大改正が行われています。   【建設業法制定の経緯】 昭和20年の太平洋戦争終戦後の復興景気は、建設業者の急増を招くとともに、従来の建設業界の秩序を壊すこととなりました。   それは、前払金の搾取、不正工事の施行等、悪質な建設業者の増加、 建設工事の請負契約に不当過大な義務を課されるなど片務性の助長となり、 ひいては建設業界全体の信用に関する問題となりました。   このような背景をもとにして、建設工事の特殊性と公共性とを基礎とし、 混乱と弊害の生じている建設業界の状況に鑑み、 建設工事の適正な施工を確保するとともに建設業の健全な発達を図り、 もって公共の福祉に寄与することを目的として、建設業法は制定されました。   なお、建設業法制定以前は、建設業者を取り締まるための府県令が唯一の法的規制でした。   【主な建設業法改正の経緯】 (昭和28年) ・適用建設工事の追加 ・板金、とび、ガラス、塗装、防水、タイル、機械器具設置、熱絶縁の各工事建設業者の登録要件の強化、一括下請負の禁止の強化、建設業審議会の権限強化等   (昭和31年) ・建設工事紛争審査会の設置   (昭和35年) ・技術者の資格要件を「建設大臣が指定したものを受けた者」に限定 ・建設業者に施工技術の確保に努める義務を課した技術検定制度創設   (昭和46年) ・許可制度の採用 ・特定建設業の許可制度採用 ・監理技術者制度の整備 ・経営事項審査制度の整備   (昭和62年) ・特定建設業の許可基準の改正 ・監理技術者制度の整備(指定建設業に係る技術者を国家資格者とし、指定建設業監理技術者資格者証制度の導入)   (平成6年) ・許可要件の強化 ・経営事項審査制度の改善 ・施工体制台帳の整備 ・監理技術者の専任制の徹底等(監理技術者資格者証を28業種に拡大) ・見積の適正化 ・帳簿の備付けの義務化 ・監督の強化 ・建設業許可の簡素合理化等   (平成12年) ・「公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律」制定に伴う監督処分の規定を整備   (平成18年) ・「建築物の安全性の確保を図るための建築基準法などの一部改正する法律」改正に伴う改正 (工事目的物の瑕疵担保責任又は瑕疵担保責任に関する保証等の措置があった場合の請負契約書への記載義務) ・「建築士法等の一部を改正する法律」による改正(一括下請条項の強化)   (平成19年) ・「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律」による改正  

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