見積条件の明確化

見積条件の明確化

建設工事の請負業者の施工業者間で、施工責任の範囲及び施工条件が不明確だと、紛争が起こる要因ともなります。
また、下請業者が工事を適正に見積もるためには、工事見積条件が元請負人から明示されていることや、見積り落とし等の問題が生じないよう検討する機会を下請負業者に与えて、請負代金の額の計算その他請負契約の締結に関する判断を行わせることが必要です。
そこで、建設工事の見積依頼時には工事の内容となるべき重要な事項をできる限り具体的に提示しなければならないこととしています。

<見積りに当たっては下請契約の具体的内容を提示することが必要>

見積り条件として提示しなければならない内容として、建設業法では、工事内容、工事着手及び工事完成の時期、前払金又は出来形部分に対する支払の時期及び方法等の13の項目が定められています。
①工事内容(最低限明示の必要がある項目は次の8項目)
  • ・工事名称
  • ・施工場所
  • ・設計図書(数量等を含む)
  • ・下請工事の責任範囲
  • ・下請工事の工程及び下請契約を含む工事の全体工程
  • ・見積条件及び他工種との関係部位、特殊部分に関する事項
  • ・施工環境、施工制約に関する事項
  • ・材料費、産業廃棄物処理等に係る元請下請間の費用負担区分に関する事項
②工事着手の時期及び工事完成の時期
③請負代金の全部又は一部の前金払又は出来形部分に対する支払の定めをするときは、その支払の時期及び支払
④当事者の一方から設計変更又は工事着手の延期若しくは工事の全部若しくは一部の中止の申し出があった場合における工期の変更、請負代金の額の変更又は損害の負担及びそれらの算定方法に関する定め
⑤天災その他不可抗力による工期の変更又は損害の負担及びその額の算定方法に関する定め
⑥価格等(物価統制令(昭和21年勅令第118号)第2条に規定する価格等をいう。)の変動若しくは変更に基づく請負代金の額又は工事内容の変更
⑦工事の施工により第三者が損害を受けた場合における賠償金の負担に関する定め
⑧注文者が工事に使用する資材を提供し、又は建設機械その他の機械を貸与するときは、その内容及び方法に関する定め
⑨注文者が工事の全部又は一部の完成を確認するための検査の時期及び方法並びに引渡しの時期
⑩工事完成後における請負代金の支払の時期及び方法
⑪工事の目的物の瑕疵を担保するべき責任又は当該責任の履行に関して講ずべき保証保険契約の締結その他の措置に関する定めをするときは、その内容
⑫各当事者の履行の遅滞その他債務の不履行の場合における遅延利息、違約金その他の損害金
⑬契約に関する紛争の解決方法


<具体的内容が確定していない事項はその旨を明確に示すことが必要>

元請負人は、上記に示した事項のうち具体的内容が確定していない事項がある場合についてはその旨を明確に示さなければなりません。
なお、正当な理由がないにも関わらず、元請負人が、下請負人に対して、契約までの間に上記事項等に関し具体的な内容を提示しない場合は、建設業法第20条第3項に違反することとなりますので注意が必要です。

<見積条件の明確化のため、見積依頼は書面で行う>

見積条件の明確化のためには、元請負人が見積条件を記載した書面を作成し、元請下請双方で保有する等の対応が有効です。
また、下請契約に含まれる作業内容等に係る元請下請間の意識の乖離を防ぐためには、「施工条件・範囲リスト」(建設生産システム合理化推進協議会作成)の活用が有効です。

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